初戦失格のショートトラック吉永に松田丈志が「次はやれる」と言う理由 (3ページ目)

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi  photo by JMPA(Noto Sunao)

 私は、五輪初めてのレースで吉永選手があれだけ積極的に滑れたことは素晴らしいと思う。この経験はまたひとつ吉永選手のステージを上げたはずだ。ともに観戦させてもらった母・美佳さんも「次につながるレースだったし、スケーティングの成長も感じた」と話していた。

 これから大切なのは、試合期間中に自分が成長していくイメージを持つことだ。五輪はスタートしたが、選手はこの五輪期間中でも成長できる。なぜなら、経験は常に蓄積されていくからだ。

 初出場の吉永選手も、これで五輪の舞台は"経験済み"だ。

 初戦の経験を自分の中で消化し、課題を理解し、そこへのアプローチを続ける。この作業を五輪期間中でも、この短期間でも冷静にやれる選手こそが成長し続けられる。

 幸いにも、今回のショートトラック競技は中2日、中3日、中2日とブレイクを挟みながら競技が進んでいく。たとえ個人競技でも、代表チームには流れがある。選手の思いは伝播する。それは自分たちはやれるという思いも、あるいはその逆も同じように、だ。

 13日には女子500m予選、男子1000m予選、男子5000mリレー予選が行なわれる。チーム一丸となって、自分たちで流れをつかみにいってほしい。

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