横綱たちに稽古で可愛がられる新小結、
阿武咲。「しっかり暴れます」

  • text by sportiva
  • photo by Kyodo News

 大相撲九州場所が11月12日に初日を迎える。状態が心配された横綱勢は、9月の秋場所を制した日馬富士に加え、白鵬、稀勢の里が休場から戻ってくる。役者がそろい、優勝争いはますます激化するだろう。そんな九州の土俵で最も期待されている若手力士が、21歳の新小結、阿武咲(おうのしょう・阿武松部屋)だ。

秋場所で自身2度目となる敢闘賞を受賞し、小結に昇進した阿武咲秋場所で自身2度目となる敢闘賞を受賞し、小結に昇進した阿武咲 先場所は、日馬富士を破って初の金星を獲得。一時は優勝争いの先頭を走るなど10勝(5敗)を挙げ、今年の夏場所に新入幕を果たしてから3場所連続となる2ケタ勝利を達成した。これは、年2場所制だった1940年5月場所の照国(てるくに・第38代横綱)以来となる史上2人目の偉業である。

 得意の型は、立ち合いから一気に相手を吹っ飛ばすような突き押し。特に、左からの攻めは強烈だ。迎える九州場所は上位総当たりの場所となるが、「三役はひとつの目標であり、憧れだった。しっかり暴れられるように稽古したい」と意気込んでいる。

 阿武咲は、故郷・青森県の北津軽郡中泊(なかどまり)町にある「中泊道場」で、5歳から相撲を始めた。中学卒業までの10年間を指導した小山内誠監督は、「(阿武咲は)必ず全国に通用する選手になると思っていました。ですから、常に厳しく指導することを心掛けていました」と明かす。

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