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日本勢を退けボルダリングW杯優勝の
18歳美少女、ヤーニャに迫る (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  清水 恵子●通訳 interpreter by SHIMIZU KEIKO
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki


 女子決勝は4課題あるうち、勝負を分けたのは2課題目と3課題目。核心は2課題目が距離のあるゴール取りで、3課題目はスタートの窮屈な体勢から1手目に向かってジャンプし、ホールド(手掛かり、足掛かり)を取った後の体の"振られ"をコントロールできるかにあった。
*BWC2017準決勝、決勝の模様は、You TubeのIFSCチャンネルで無料で視聴でき、課題内容なども確認できる。
https://www.youtube.com/user/ifscchannel

 2課題目は、ゴール取りに出るときの左足の位置が勝負を決めた。ほとんどの選手が右足は膝の高さほどにあるペラッペラに薄いホールドを踏み、左足で低い位置にある大きなホールドを蹴り込んでジャンプしてTOPホールドに手を伸ばした。だが、左足が伸び切った状態からのムーブになるため、微妙に距離が足りずに落下した。

 野口は1トライ目に両手で持つホールドを引きつけながら、右足で踏んでいるホールドに乗り込んで手を伸ばすムーブを試みたが、踏み込めるだけの厚みがないことで動きを切り替えた。左足は他の選手が使ったホールドではなく、別のホールドをつま先で踏んで、少し無理な体勢から左足を高い位置で蹴り出したことで、TOPホールドまでの距離を生み出した。ゴールすると会心の笑顔をこぼして何度もガッツポーズを決めた。3課題目も6トライ目で1手目のホールドをつかむと制限時間残り1秒でTOPホールドを押さえ込んだ。4課題目も1トライ目で楽々と登って決勝課題は全完した。

 しかし、抜群のパフォーマンスを見せた野口をあっさりと上回り、表彰台の中央に立ったのが、ヤーニャ・ガンブレット(スロベニア)だ。予選から決勝までのすべての課題をただひとりだけ完登。しかも、最もトライを要したのは、準決勝3課題目の3トライ。クライミング能力だけではなく、高い修正能力も見せた。

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