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明治11年以来、初めて関取が消えた高砂部屋。
幕下力士たちの思いは? (5ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 8日目までの4番相撲を終えて、朝赤龍と朝弁慶は共に1勝3敗と厳しい相撲が続いている。しかし、玉木は2勝2敗と奮闘、さらに石橋は6日目の3番相撲で元関脇の豊ノ島を破るなど4連勝と星を伸ばしており、1場所で関取が復活する期待が大きく膨らんでいる。石橋は「兄弟子たちに胸を借りて、すごくいい稽古ができています。幕下にいる全員が十両に昇進して、師匠が現役だった時代のような活気ある高砂部屋にしたい」と目を輝かせた。

 大関・朝潮として活躍した現在の師匠が現役だった時代は、高見山、富士桜、さらには弟弟子に小錦が入門するなど、火花が散る稽古で切磋琢磨してきた高砂部屋。現在、朝興貴も含めて幕下の5人が競い合って汗を流す状況は、名門復活への序章ともいえるだろう。

 138年も守った関取の歴史は途絶えた。しかし、新たな扉は開かれようとしている。後半戦に突入した初場所は、そんな高砂部屋の力士たちの気迫も大きな見どころだ。

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