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ピンチで浮かんだ「伊調の逆転勝ち」。
高橋・松友組が金メダル (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 それでもふたりはあきらめなかった。松友は「あそこでは正直、負けるかなと思いました。だからとりあえず1本は、相手に『オーッ』と思わせるような球を打ってやろうと思って。多分それで前向きになれたのだと思います。でも試合中は本当に楽しかったし、最後の2~3点は無心でやっていました」という。

 高橋も「本当に一瞬だけ『ここで負けちゃうのかな』と思ったけど、前の日にレスリングの伊調馨選手が逆転勝ちをした試合を見ていたので、それを思い出して『ここからでも逆転はあり得るな』と気持ちを切り換えました」と笑顔で話す。

 1点、2点と差を詰めていくと、相手も焦り始めて凡ミスが出るようになった。そこを突くように、5連続ポイントで21対19とし、劇的な逆転勝利を収めた。

 自分たちの勝因を高橋は「実力的には世界一の力はないと思うけど、コンビネーションは本当に世界一だと思っています。そういう力を出せれば自分たちは負けないというのを、(2014年の)スーパーシリーズファイナルで優勝したあたりから思うようになったのが大きかったと思います」と分析する。

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