【月刊・白鵬】横綱が目標とした36度目の優勝。達成後の本音
第59回:優勝36回
通算36回目の優勝を飾った白鵬大相撲春場所(3月場所)で、
36回目の優勝を飾った横綱。
史上最多優勝回数を更新したあと、
目標としてきた記録を遂げた
横綱がその心中を語る――。
大相撲春場所(3月場所)が終了しました。
この場所の最大の目玉は、大関・琴奨菊の綱取りでした。初場所(1月場所)での初優勝後、自身の結婚披露宴や優勝パレードをこなし、他にも数多くのイベントにも引っ張りだこだったものの、琴奨菊はそんな疲れも見せず、初日から4連勝。これは「いよいよ(綱取り)か」と思わせました。が、終盤になって息切れ。ファンの期待も膨らんでいただけに、残念でした。
それでも、32歳になってなお、力をつけてきている琴奨菊。これから、まだまだチャンスはあると思います。
一方、琴奨菊の初優勝で目覚めたのか、今場所大いに奮起したのが、大関・稀勢の里でした。
ここ数年、毎場所のように優勝候補に挙げられ、しかも「日本人で最も横綱に近い男」と言われていた稀勢の里。にもかかわらず、その期待になかなか応えることができませんでした。そうこうしているうちに、先の場所では日本人としての"主役の座"を琴奨菊に取って代わられようとしたのです。それで、さすがに燃えないわけにはいかなかったのでしょう。
そして場所前には、稀勢の里が精力的に稽古をこなしている、という情報が私のところにも伝わってきました。その結果、本場所が始まると、10連勝の快進撃。最後まで優勝争いを演じました。今年は再び、綱取りを待望する声が大きくなっていくでしょう。
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