【自転車】大事故から1ヶ月。新城幸也が語る「復活」へのプラン

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki  飯島美和●撮影 photo by Iijima Miwa

 世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」に5回出場し、すべて完走している日本の第一人者、新城幸也(あらしろ・ゆきや)が左大腿骨(だいたいこつ)骨折の重傷を負った。7月2日に世界遺産のモン・サン=ミッシェルで開幕する、今年のツール・ド・フランスには間に合うのか? そして2度目の五輪となるはずのリオデジャネイロ大会の出場は? 復帰を目指してリハビリに集中する「新城幸也の今」を取材した。

 新城幸也――。沖縄県石垣島出身の31歳。2007年・2013年の全日本チャンピオンであり、2012年のロンドン五輪・個人ロードレース日本代表。ツール・ド・フランスは5回出場(2009年、2010年、2012年、2013年、2014年)してすべて完走し、ジロ・デ・イタリアは2010年と2014年、そして2015年にブエルタ・ア・エスパーニャを完走して「グランツール」と呼ばれる三大大会を全走破している。日本選手としては前人未踏の快挙であり、世界的にみてもあまり例がない実績だ。

新城幸也は苦しいリハビリの合間にも笑顔を見せてくれた新城幸也は苦しいリハビリの合間にも笑顔を見せてくれた プロ11年目の2016年シーズン、新城は慣れ親しんだフランスのチームを初めて離れ、イタリアのUCIプロチーム「ランプレ・メリダ」に移籍した。

「10年やろうと思ってやってきたわけじゃないけど、振り返ればあっという間に10年が過ぎていた。これからは"新生・新城幸也"として頑張りたい。ツール・ド・フランスでのステージ優勝が目標」と、シーズンを前にして意気込みを語っていた。

 だが、意欲満々でシーズンインした新城に、まさかのアクシデントが襲いかかった。

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