【2014年回顧】スポーツ界、快挙の連続。心残りは... (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 決勝トーナメントに入っても、ブラジルは気を緩めなかった。1回戦のチリをPK戦の末に破ると、準々決勝のコロンビアも2-1で退けた。南米のライバルを次々と倒し、悲願のワールドチャンピオンまであと2試合と迫るブラジル――。しかし、ここでブラジルに思わぬ悲劇が起きた。コロンビア戦でネイマールが背後から激しいチャージを受け、脊椎骨折で戦線離脱することになったのである。

 迎えた準決勝の相手は、過去3度の優勝経験を誇る強豪ドイツ。ネイマールを欠いたブラジルに、ヨーロッパの雄を跳ね返す力はなかった。W杯決勝トーナメント史上最多となる7失点を喫し、ブラジル国民の目の前でまさかの惨敗……。12年ぶりの王座奪還を目指したブラジルの夢は、そこで潰(つい)えた。

 一方、ブラジルに勝利したドイツは、バリエーション豊かな攻撃もさることながら、安定したディフェンス陣が秀逸だった。決勝までの6試合で、失点はわずか4。7月13日に行なわれた決勝戦でも、リオネル・メッシ率いるアルゼンチンに1点も与えることなく、24年ぶり4度目の戴冠となった。

2014年プレイバック (14)
錦織圭、日本人男子史上初の全米オープン準優勝

 2014年、錦織圭がひとつの目標として掲げていたのは、「トップ10に入ること」だった。それに近づくべく、錦織はコツコツと好成績を積み重ねていった。グランドスラム初戦となる全豪オープンで3年連続ベスト16となり、2月の全米国際インドアテニス選手権では今季初勝利。さらに4月のバルセロナ・オープンでも今季2勝目を収め、5月12日、念願の世界ランキングトップ10入り(9位)を果たした。

 ただ、錦織の勢いは、「トップ10入り」だけでは止(とど)まらなかった。ウインブルドンでベスト16入りを果たすと、シーズン最後のグランドスラム――全米オープンで、世界中を驚愕させたのである。

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