【スピードスケート】前回五輪の日本人メダリストたちに強敵続々 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 それを追う第2グループに小平も加わっているが、世界スプリントで総合優勝を果たした干静(中国)が、500mでただひとり37秒台を連発。しかも12年に李が出した37秒60のリンクレコードに迫る37秒67と37秒72というハイレベルな記録だった。彼女は李の前の世界記録保持者だが、昨年右膝に負傷を負って今季のW杯総合は14位。それがいきなりメダル候補に飛び出しただけではなく、トップをうかがう勢いを見せている。

女子のエース・小平も十分メダルを狙える位置にいる女子のエース・小平も十分メダルを狙える位置にいる さらに、世界スプリント総合2位のオルガ・ファトクリナ(ロシア)、3位のヘザー・リチャードソン(アメリカ)もW杯で実績を残しておりあなどれない。ほかに、バンクーバー2位のジェニー・ウルフ(ドイツ)と3位の王北星(中国)もメダルに絡んでくる実力を持っている。

 現状は、李の金メダル獲得の確率が高く、2位以下は予想の難しい大混戦といえる。小平はまずその第2グループから抜け出すことを目標にしているが、「打倒・李」も心の中に秘めている。レース当日に誰が絶好調で臨むか。メダル争いはそれが最大のカギになりそうだ。

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