【スピードスケート】前回五輪の日本人メダリストたちに強敵続々
2010年バンクーバー五輪では、長島圭一郎が銀、加藤条治が銅を獲得したスピードスケート500m。今回のソチでは、男女ともにメダルの期待がかかっている。
とくに男子は、今季のW杯で、前回五輪銀の長島が2勝をあげており、銅の加藤も1勝と、ともに悲願の金メダル獲得に照準を合わせてきている。
3度目の五輪で悲願の金メダルを狙う加藤条治 加藤は、バンクーバー後は試合へのピーキング方法をいろいろと試し、昨季はW杯総合2位、世界距離別選手権500mで2位という結果を残した。そして今季、W杯前半戦を終えてソチ代表の内定を決めた加藤は、昨年12月の五輪代表選考会(全日本選手権)で、ソチを想定してレースに臨んだという。結果は、1本目34秒91、2本目34秒87と、ただひとり34秒台を揃えての優勝。3回目の五輪を前に手応えをつかんだ。その後の練習では自らの武器であるコーナーの滑りをさらに進化させ、金メダルへの思いをさらに強くしている。
一方の長島は、バンクーバー後はケガもあって順調とはいえない状態だったが、今季W杯2勝で復調ぶりを示すと、そこからさらなる挑戦をした。五輪代表選考会はあまり調整をしないで臨んだため2位だったが、五輪前最後の大会となる1月の世界スプリント選手権(長野)では、「さらに速くなるために」(長島)ブレードの曲がりなどを微調整して臨んだ。
そして、数日前の練習で転倒して背中に痛みがあった影響もあり、初日の500mこそ35秒44で8位だったが、コンディションを「W杯で勝てていた頃の状態に戻せた」という2日目は、35秒28で2位にジャンプアップしてみせた。
長島本人は「微調整して結果を出せないのは自分に力がないから」と話していたが、彼を指導する今村俊明監督は「スケートの調整を変えたばかりでも、1位と0秒16差にするあたりはさすが」と長島の底力を認める。
加藤、長島のふたりとも、金メダル獲得の可能性は十分にある。ただ、今季の男子500mは大混戦で、1位になる可能性もあれば、6位になってしまうこともあり得る。なにしろ、昨年12月までのW杯8レースを終えた時点で、優勝者は長島と加藤を含めて7人もいるのだ。
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