2013.03.16

【カーリング】世界選手権開幕。
中部電力・市川美余は奇跡を起こせるか

  • 竹田聡一郎●文 text&photo by Takeda Soichiro

五輪出場権獲得を目指して、世界選手権に挑む中部電力・市川美余。 
2012年の世界選手権の成績によって振り分けられた「五輪ポイント」の表。これに、今回の2013年大会のポイントを合わせて、五輪開催国のロシアを除いた上位7カ国に五輪出場権が与えられる。 カーリング女子の世界選手権が、現地時間3月16日から(24日まで)ラトビアの首都リガで開催される。ソチ五輪の出場権がかかるこの大会には、2月の日本選手権で3連覇を果たした中部電力が日本代表として出場。主将の市川美余は「3位以内を狙います」と、大会への意気込みを語った。

 市川が言う「3位以内」というのは、意味がある。

 来年2月に開幕するソチ五輪の出場枠は10。まずは、2012年、2013年とふたつの世界選手権の成績によって振り分けられるポイントの合計で、五輪開催国のロシアを除いた上位7カ国に出場権が与えられる。そして残り2枠は、世界選手権に出場したポイント下位の最大6カ国でプレイオフを実施(12月に欧州で開催予定)。そこで上位2チームに入れば出場切符を得られるわけだが、世界選手権後に五輪出場を確定できる上位7カ国の"五輪ポイント"は、10ないし9ポイントと予想されている。市川が目標に掲げた「3位以内(10ポイント)」というのは、そのボーダーラインを意識したものだろう(表を参照)。

 もちろん、その目標達成は決して簡単なことではない。過去、日本代表の世界選手権最高位は2008年大会、本橋麻里らを擁したチーム青森の4位だ。スキップの藤澤五月が「ほとんどのチームが格上」と言うように、楽に勝たせてくれるチームはひとつもなく、まして連勝することなど至難の業だ。創部4年目で、初めて世界の大舞台に挑む中部電力にとって、「3位以内」というのはかなり高いハードルである。

 しかし、大一番を前にした中部電力の選手たちに硬さはなく、気負いも感じられない。藤澤が「相手がどこの国だからどう戦う、というではなく、自分たちがいいショットを決められるかどうかが大事」と言えば、長岡はと美コーチも「(各国の)対策は特にありません。それよりも、選手たちにはアイスをいかに読むか、ということに集中させたい」と、あくまで自分たちの力を出し切ることを優先し、イメージ通りの場所に石を運ぶことができれば、結果はついてくるという自信がにじむ。結果にはこだわりながらも、「とにかく自分たちのカーリングを貫くこと」を何より重視しているように見える。