【月刊・白鵬】2013年、横綱が気になっている「ふたりの力士」 (2ページ目)
年末年始のイベントと言えば、大晦日の日本の風習に趣(おもむき)を感じています。モンゴルでは、年が明けるときにシャンパンを開けて「おめでとう」と簡単な挨拶をかわす程度なのですが、日本では年越しそばを食べて、年が変わる頃に初詣に行くじゃないですか。そういうのは、何か神聖な感じがして、とてもいいものだな、と思います。縁起をかつぐ意味もあって、私も年越しそばは毎年欠かさずに食べています。
モンゴルで日本の年末年始のように賑わうのは、2月1日の旧正月です。親族が集まってご馳走を食べるなど、盛大に祝います。「お正月料理」は、どの家でもお母さんが1週間くらいかけて手作りするんですよ。それはもう豪勢なもので、私も毎年楽しみにしています。
その前に、まずは初場所です。1月13日から始まって、初日からたくさんの方が国技館に足を運んでくれました。本当にありがたく思っています。
日馬富士の横綱昇進で、久しぶりに相撲の本拠地・両国国技館でも東西の両横綱がそろい、ファンの皆さんの相撲への関心も増してきたのでしょう。各力士への声援の大きさなどからも、ファンの方々の熱い気持ちが伝わってきました。そうやって大相撲を支えてくださる皆さんに応えるべく、私たちは全力で相撲に取り組んでいこうと決意を新たにしました。
そして2013年、私が目指しているのは、どの場所でも日馬富士と私の横綱ふたりで引っ張っていって、優勝争いを演じていくことです。できれば全勝、悪くても1敗の相星で、千秋楽の結びの一番を戦うのが理想です。
具体的な数字の目標では、とにかく優勝回数を増やすこと。私は今、優勝23回です。そのすぐ上には、北の湖理事長の24回、そして朝青龍関の25回という記録がありますから、その記録に追いつきたいですね。
昨年は両国国技館での優勝が1回もなかったので、まずはこの初場所で賜杯を抱きたいという強い思いがあります。それを実現するために、一日一番を大切にして相撲を取っていきたいと思います。
もちろん我々横綱だけでなく、他の力士にもがんばってもらわなければいけません。なかでも、私が期待しているのは、関脇の豪栄道です。今場所は、把瑠都が大関から関脇に下がって4大関となりましたが、新たな「大関候補」として名前が挙がっています。
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