【カーリング】日本代表決定戦、
中部電力・市川美余が女王の貫録を示せるか

  • 竹田聡一郎●文 text&photo by Takeda Soichiro

今年2月の日本選手権を制した中部電力の主将・市川美余。今年2月の日本選手権を制した中部電力の主将・市川美余。 10月22日から26日まで、札幌・どうぎんカーリングスタジアムで『2012パシフィック・アジア・カーリング選手権(以下PACC)日本代表決定戦』が行なわれる。同大会には、今年2月の日本選手権上位3チームの、中部電力、ロコ・ソラーレ北見、チーム青森が参加し、11月にニュージーランドのネイズビーで開催されるPACCに挑む、代表権(1チーム)を争う。

 従来ならば、日本選手権王者がPACCには出場してきた。それが、なぜ今回は代表決定戦が行なわれるのか。

 まず、WCF(世界カーリング連盟)の定めた、2014年ソチ五輪の参加条件(出場枠は10カ国)に関連する。五輪出場権を得るには、最低でも五輪開催年から遡(さかのぼ)って直近ふたつの世界選手権、今年3月に行なわれたレスブリッジ(カナダ)大会、もしくは2013年3月に開催されるリガ(ラトビア)大会の、いずれかに出場していなければならない。その2大会の成績に応じて振り分けられるポイント(オリンピックポイント)によって、開催国のロシアを含めた上位8カ国に出場権が与えられ、残り2枠は、両大会に出場しながら五輪出場枠内に入れなかった国々で五輪直前に最終予選を行なうことになっているからだ。

 そして、その世界選手権に出場するには、PACCで2位以内に入ることが条件なのだが、日本は前回(昨年11月)、中国、韓国、ニュージーランドに次ぐ4位でレスブリッジ大会には出場できなかった。つまり、今度のPACCでアジアのライバルたちを破って2位以内を確保し、次回のリガ大会に出場できなければ、ソチへの道は断たれてしまうのだ。

 そこで、JCA(日本カーリング協会)は、「直前にもっとも強いチームを送り出したい」(佐藤健一強化委員長)と、従来のシステムを覆(くつがえ)して代表決定戦の敢行を決定した。

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