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【月刊・白鵬】ロンドン五輪、女子選手は「あっぱれ」も男子柔道には「喝」

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

テレビの前に釘付けとなってロンドン五輪を堪能したという白鵬。テレビの前に釘付けとなってロンドン五輪を堪能したという白鵬。第17回:ロンドン五輪

日本が過去最多となる
38個のメダルを獲得した
ロンドン五輪。横綱も
巡業中ながら熱心に観戦し、
モンゴル人選手と
日本人選手の活躍には
心を打たれたそうだ。

 ドラマチックでしたね、ロンドン五輪!

 名古屋場所(7月場所)千秋楽の翌日から母国・モンゴルに帰っていた私は、テレビの前に釘付けでした。日本に戻って来てからも、東北、北海道方面に夏巡業に出ていたのですが、夜は宿舎で付け人やモンゴル人力士たちと一緒にテレビ観戦していました。

 一番印象に残っているのは、やっぱりレスリング女子63kg級に出場したソロンゾンボルト選手(モンゴル)の銅メダルですね。近年、モンゴルではレスリングに力を入れていて、国民の興味や関心も高まっていますが、女子選手のメダル獲得は初めてのこと。男女合わせても、メダル獲得は1980年のモスクワ五輪まで遡(さかのぼ)る快挙だっただけに、その夜は旭天鵬関や日馬富士らと大いに盛り上って、美酒に酔いしれました。

 テレビの中継では、観客席で応援する元横綱・朝青龍関のダグワドルジさんの姿が映し出されていました。ダグワドルジさんは今、モンゴルレスリング協会の名誉会長を務めていて、競技の普及・向上に奔走しています。ソロンゾンボルト選手らの指導もしているだけあって、勝利の瞬間はさすがに感極まって涙を流していましたね。

 相撲の場合ならまわし、柔道なら襟を取って技を展開していくわけですが、レスリングの場合は"取る"ものがありません。つまり、相手の体だけを使って技を繰り出していく。そんなところが、私がレスリングに惹かれ、ゾクゾクさせられる部分なんですよ。単にモンゴル人選手の応援という意味だけではなく、格闘技として参考になる部分がたくさんあって、レスリング中継は見逃せませんでした。

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