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新結成カップル「しょまりん」の可能性 宇野昌磨と本田真凜が語っていたアイスダンスの奥深さ (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 立松尚積●撮影 photo by Naozumi Tatematsu

 そのパラダイムシフトが、今回の宇野昌磨&本田真凜のカップル結成にもつながっている。しょまりん(通例だと名前の並びは女性、男性で呼ぶのだが、響きのかわいさからこちらで定着しつつある)の誕生だ。

 2024年、筆者は引退した直後の本田真凜とのインタビューで質問したことがあった。

――アイスダンスは、かなだいで爆発的に注目度が上がりました。本田さんもアイスダンスに興味があったとか......。

 当時、彼女はこう明かしていた。

「じつは私、アイスダンスを練習していたことがあります。20211月から5月くらいまでやっていて。靴もアイスダンスの靴にして練習したんですが、本当に、本当に難しかったです。靴が違うと、まったく別の競技をしているんじゃないかという乗り心地でした。(アイスダンスの靴は)すごくエッジが短くて、不安定。慣れてきたらスケーティングはこっちのほうがやりやすいと感じるようになったんですが......ふたりでひとつの動きをミリ単位で合わせるのはアイスダンスならではで。でもアイスダンスは奥が深くて、ひとつに合ったら面白いな、とも思いました!」

 シングルのツイズルは、彼らのようなレベルの選手だったら難しくはない。しかし、お互いがペースを合わせなければならないツイズルの難易度は格段に上がるという。シングルのトップ選手でも最初は手探りになるほどだ。

 以前のインタビューで、宇野にも訊いたことがあった。 

――そもそも、どのようにアイスダンスを始めたんですか?

「まったくの初心者だったんで、とにかくふたりで手をつないで滑りながら。(高橋)大ちゃんとかうまい人や、世界一のアイスダンサーの演技とかを見てって感じです。シングルは自分の体の中心に軸があるじゃないですか? でも、ふたりの間、ど真ん中に軸があると、外でのスピンも相当なスピードが必要になるんですよ。それは体感で言うと、とんでもなく速い。外側から見ると、そうでもないんですけど(笑)。最初はそれに戸惑って難しかったです。ただ、僕はできないことをできるようになるところに成長を感じられるし、その瞬間は好きなんだなってあらためて思いました」

 その‟好き"を共有できるか。村元が初めてアイスダンスを滑った高橋に感想を聞いた時、「大変だけど、すごく楽しかった」という答えを受け、続けることを確信したという。楽しさがあれば、それを技に転じさせ、観客の熱狂を生めるのだ。

 しょまりん誕生のインパクトは大きい。ふたりともスケート以外でもファンを増やしているだけに注目度は上がるだろう。全日本選手権に向けた地方ブロック大会から参戦予定で、いよいよアイスダンス新章の開幕だ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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