【ミラノ五輪】日本がフィギュアスケート大国になったと実感 「扉を開いた」高橋大輔の記憶が蘇る (3ページ目)
2019年をもってシングルで2度目の引退をした高橋は、次は村元哉中とカップルを組んでアイスダンスに転向している。さらなる破天荒な挑戦に揶揄する声も上がったが、わずか3年で全日本選手権優勝を果たし、世界選手権ではトップ10にあとひとつと迫った。
高橋はフィギュア全体の人気を高め、閑古鳥が鳴いていたアイスダンス界を開拓し、裾野を広げた。ミラノ・コルティナ五輪の団体で銀メダルを取った"うたまさ"(吉田唄菜、森田真沙也)は、その道を辿ったカップルと言える。
また、カップル競技全体に脚光を当てたとも言える。昨年の全日本選手権で優勝した長岡柚奈、森口澄士のペア"ゆなすみ"も今回の五輪に出場する。森口は幼い頃から高橋に憧れてフィギュアを始め、アイスダンスに転向した高橋に触発され、同じカップル競技のペアで台頭した。
もちろん、高橋は長い日本フィギュアの歴史のなかのひとつのピースにすぎない。そこには幾多の選手や指導者が、あるいはファンが関わっている。今の繁栄はその結晶だ。
団体で銀メダルを勝ち取った日本のフィギュアスケートは、個人戦でも世界を魅了するだろう。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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