【ミラノ五輪】坂本花織は一日にして成らず 今季最高得点で団体メダルへ「いいスタートダッシュ」 (3ページ目)
【スタートダッシュ成功で金メダルは射程内】
「初めてのオリンピックだった平昌は大変でした。リンクはどこも一緒なのに、勝手にオリンピックだから全然違うリンクだって考えすぎちゃったのかもしれません。緊張しすぎて体の動きが狂い始めて、正気じゃなかったと思うので。あらためて考えたら、よう頑張ったなって(笑)」
かつてインタビューで坂本はそう漏らしていたが、そこからの人生が彼女らしかった。
「自分のなかで、平昌が終わった時に『4年後は行ける』って思ったんです。オリンピックに限らず、初めての試合、たとえばジュニアGPシリーズ、世界ジュニア、シニアのGPシリーズとか、一発目の試合はその時の精一杯をやっても順位は低いんですけど、2回目は1回目の経験が生かされるのか。自信を持って滑ることができているので」
たしかに五輪も平昌の団体は5位、シングルは6位だったが、北京では団体が2位、シングルが3位だった。そして、ミラノでは好スタートを切っている。
「自分はどの大会でも、とにかく表彰台には必ず乗るという強い覚悟でやってきました。どれだけショートが悪かろうと、フリーで挽回してやるっていう気持ちで。そういうふうに、いろんな試合でいろんな経験してきたからこそ、こうやってできるんだと思います。自分に甘くなりそうなタイミングで、先生たちが締めてくれますし」
団体は2日目、3日目と激戦は続く。首位アメリカとは2ポイント差。十分に射程内だ。
「2位は想定内ですね。1日目で2ポイントは僅差。いいスタートダッシュを切れました!」
坂本は最後まで笑顔だった。その明るさが日本の道標だ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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