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【フィギュアスケート】坂本花織、現役最後のNHK杯で首位発進 ライバルも「感動して泣きそう」と絶賛 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【ライバルも感動させるステップシークエンス】

 今シーズン限りでの現役引退を表明している坂本は、最終滑走でスタートポジションについた。会場に『Time to Say Goodbye』の優しい音色が流れると、「お別れを言う時」というタイトルが彼女の濃密なスケート競技人生とマッチし、ファンはこの時点で万感胸に迫るものがあるという。

 そして彼女自身は、切ない律動も体に取り込んだように滑り始める。冒頭、坂本はスピード感のあるスケートから難度の高い3回転ルッツを成功させた。アテンションはついたが、悪くない滑り出しだった。

 フラインキングキャメルスピンはダイナミックで壮大さを感じさせ、回転する時に伸ばした手がひらひらとする動きは別の生き物のようで、異形の美しさがあった。レベル4も当然だ。

「思い入れのあるプログラム。次の人生の第一歩にもなるように」と坂本本人が言うだけに、気迫もこもっていた。そして、上半身を仰け反らせると、難しい体勢から疾走感が失われない"十八番"のダブルアクセルを決めている。最後のジャンプは3回転フリップ+3回転トーループでGOE(出来ばえ点)を含めて12.19点を叩き出した。これで会場の歓声がひときわ大きくなった。

「感動して泣いてしまいそうなステップシークエンスでした」

 SPで坂本に次ぐ2位に入ったソフィア・サモデルキナ(カザフスタン)も絶賛するほどのステップ、スピンで締めくくった。

「シャー!」。フィニッシュポーズ後、坂本も歓喜を抑えきれないように腕を振った。77.05点で首位に躍り出た。

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