町田樹が競技人生をかけてつかんだソチ五輪の切符「ふだん自分のことが好きではないけど今日は好きになりたい」 (3ページ目)
【技術アップも不安を残した五輪プレシーズン】
ソチ五輪プレシーズンは、初戦のオンドレイネペラトロフィー優勝でスタートすると、GPシリーズ初戦のスケートアメリカでも合計229.95点を記録し、小塚と羽生に次ぐ3位。GPシリーズ初の表彰台に立った。さらに次の中国大会では、フリーでSP1位の高橋を逆転し、合計236.92点まで伸ばしてGPシリーズ初優勝を果たした。
しかし、そこからは失速。初出場のGPファイナルのSPは他の5選手が4回転を入れて劣勢のなかで、冒頭のトリプルアクセルを転倒し6位発進。町田は、「今季はジャンプスキルには納得していましたが、6分間練習でタイミングが悪くなって不安要素が出てしまい、それを解消することができませんでした」と唇を噛んだ。
フリーでも悪い流れを覆すことはできなかった。2本目の4回転トーループで転倒しただけではなく、後半のトリプルアクセルと3回転フリップがともにシングルに、ループも2回転になるなどミスを連発した。その合計は198.63点の6位。5位の小塚にも大きく離される結果だった。「自分のペースで演技することができなかった」と、トップレベルの大会の難しさを如実に思い知らされた。
惨敗となった初挑戦のGPファイナル。その2週後の全日本選手権でもSP、フリーともミスをして合計206.17点で9位に終わった。
「体はきついなかでトライしたつもりなので、失敗はしたけれど後悔はしていません。コーチにも『逃げずに100%で跳んで転んだだけだから次につながる』と言ってもらった。GPシリーズでもいい成績を残せたので、自分の能力は上がっていて、それをシーズン通して発揮する体力が必要。技術はいいけれど体の問題なので、そこを埋めていきたいです」
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