織田信成「ショックすぎて言葉にならない」初の五輪で不運のアクシデント 奔放にファンを楽しませたスケート人生 (2ページ目)
【初の大舞台で演技中断のアクシデント...】
初挑戦の五輪。SPは10番滑走のエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)が90.85点で暫定トップに立ち、17番滑走の高橋が90.25点で続く状況での演技だった。
織田は最初のトリプルアクセルを着実に決めたが、次の3回転ルッツ+3回転トーループはルッツのエッジ不明確と判定されてGOE(出来ばえ点)加点を稼げなかった。大きなミスなくまとまった内容だったが、サーキュラーステップとストレートラインステップはともにレベル3と取りこぼし、得点は84.85点にとどまった。
「すごく緊張していたのであっという間に終わったけれど、大丈夫と言ってくれたコーチの言葉や、今まで練習してきたことを信じて滑りました。思った以上に五輪という舞台で力が出せたので、自分としては満足しています」
演技後にこう話した織田だが、最終グループでライサチェクが90.35点を出したためにSPは4位発進。表彰台へは、90点台で並んだ3位までに5点以上の差を開けられる厳しい展開になった。
2日後のフリーは、ライサチェクが4回転ジャンプを入れない構成をノーミスで滑り、合計を257.67点とし暫定トップに立ったあとの演技だった。
メダルを獲得するには、それまでの公認自己ベストの163.33点を大きく上回らなければいけなくなった状況。織田は「(フリーの)朝の調子を見て入れる意向」だと話していた冒頭の4回転トーループを3回転ルッツに替えて滑り出した。
だが、安定感を欠いた。次のトリプルアクセル+3回転トーループは降りたが、アクセルの着氷が乱れてGOEは0.84点の減点。後半に入って3本目のジャンプだった3回転フリップ+2回転トーループを降りたあとの3回転ループで転倒。そこで演技を中断し、靴ひもをしばり直すアクシデントに直面した。
結果は転倒の1点と演技中断の2点の減点で153.69点。合計は238.54点でSP7位から盛り返したパトリック・チャン(カナダ)に次ぐ暫定3位と、メダル獲得の可能性は限りなく低くなった。
最終的にはプルシェンコが2位、高橋は3位とSP上位3選手がメダルを獲得したなか、織田は7位に順位を落とす結果だった。
ミックスゾーンで涙をボロボロと流し、「ショックすぎて言葉にならない。3回転フリップを跳んだ時に靴ひもが切れ、3回転ループでほどけてしまった。悔いが残る大会になりましたが、4回転に挑戦するだけの実力がなかった自分の責任。終わった瞬間は頭が真っ白だった」と話した。
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