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高橋大輔、30代最後のソロナンバーで魅了「フリーダムに滑っています!」紡がれていくフィギュアスケートの歴史 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【紡がれていくフィギュアスケートの歴史】

 この日は、3人のキッズスケーターやジュニアの上薗恋奈らも滑っていたが、その舞台が先人のスケート人生で築かれていることを肌で感じることができただろう。誰かが誰かに影響を与える。その連鎖がフィギュアの歴史の根幹だとすれば、その一端を目にすることができる。

 アイスショー『フレンズ・オン・アイス』は、トリノ五輪と同じく2006年の初演から19年の年月を重ねてきた。

「今回の『フレンズ・オン・アイス』は、それぞれのスケーターの個性やキャラクターを最大限に引き出せる形にしました。幅の広い世代、全世代のスケートのよさを見てもらえたらと思います。日本でなかなか見られないレジェンドスケーターの演技も見られるので、ぜひスケートの神髄を! 新たにスケートシーズンが始まるなか、みなさんもパワーをチャージできるように」

 荒川が言ったように、最後のグループナンバーは象徴に過ぎない。シェイ=リーン・ボーン、ジェイソン・ブラウン、コストナー、ランビエール、ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェなどのレジェンドスケーターの演技は、控え目に言ってスペクタクルだった。若いスケーターたちはそれに刺激を受け、輝くはずだ。

 トリノから20年目の五輪シーズン、フィギュアスケートの歴史は今も紡がれる。

「『フレンズ・オン・アイス』はずっと出演させてもらってきて、今回も素敵です。30代最後っていうのは......40って響きがね、もうひとつ違う世代にいくなって(笑)。でも、ぜひ見てほしいなって思います!」

 そう話す高橋の声は若々しかった。

後編につづく

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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