検索

高橋大輔、30代最後のソロナンバーで魅了「フリーダムに滑っています!」紡がれていくフィギュアスケートの歴史 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【トリノ五輪で戦った4人のナンバー】

 後半の最後のグループナンバーでは、高橋が生きてきたフィギュアスケートの時代に浸れるだろう。

 荒川静香、ステファン・ランビエール、カロリーナ・コストナー、そして高橋の4人が滑っている。それぞれが調和する姿は詩的だった。4人に共通するのは、2006年トリノ五輪でともに戦ったことだ。

 荒川はみごとに金メダルを勝ち獲って、ランビエールは殊勲の銀メダルをつかみ獲った。コストナーは母国開催の重圧に苦しみながらも、それを糧に4大会連続出場で2014年ソチ大会では銅メダルに輝く。高橋もトリノ大会では若さが出たが、バンクーバー大会では前十字靭帯断裂のケガから復帰し、ランビエールに競り勝ってアジア人男子初のメダルをもたらしている。

 長い時を経て、彼らがコラボする姿はノスタルジーを誘い、フィギュアスケートの引力の強さも感じさせた。

「このグループナンバーは、ステファンに作ってもらいました」

 そう説明したのは、トリノで栄光を手にした荒川だ。

「トリノ五輪から次のミラノ(・コルティナ五輪)で20年が経ちますけど、リンクでひとつの作品を作れる喜び、楽しさを感じることができました。それぞれスケーターが国は違っても、今でもフィギュアスケートに情熱を注いでいて、いろいろな意味でタイムスリップしたような気持ちになる瞬間でした。感情を揺さぶられるというか。来年、五輪が同じイタリア開催というのもあって、(若い選手に)エールを送れるような機会にもしたい、と滑りました」

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る