検索

【フィギュア】イリア・マリニン「7本の4回転こそ僕のアイデンティティになるもの」 世界選手権2連覇で感じる「責任」とは? (3ページ目)

  • 野口美恵●取材・文 text by Noguchi Yoshie

【フィギュアスケートを再び大人気する使命】

ーー世界選手権を連覇したことで、何かひとつ達成した、というような満足感はありますか?

 まだ実感はないですね。年月が経つにつれて感じるものかも知れません。ただ僕の目標は、自分が優勝することではなくて、このフィギュアスケートというスポーツを再び大人気の競技にすること。単に「このシーズンの王者でした」ということではなく、歴史上のレジェンドスケーターたちのように、見たものにインスピレーションを与えるような存在になりたいです。

ーースケート人気を高めていくために、どのような使命を帯びていると思いますか?

 僕が2度の世界王者になったということは、僕自身にもスケートをもっと普及させる責任があると感じています。アメリカでは、数十年前、すべてのアイスショー、すべての大会でスタジアムが満員になっていました。そしてあらゆるテレビ局のニュースに、スケートはいつも登場していました。あれから、スケートの技術はさらに進化し、エネルギッシュな戦いが行なわれている。多くの人にこのすばらしいスポーツを見逃さないでいてほしいと思っています。

後編につづく>>

<プロフィール>
イリア・マリニン/2004年、アメリカ・バージニア州生まれ。2022−2023シーズンからシニアへ移行し、USインターナショナルクラシックで史上初の4回転アクセルを成功。2023−2024シーズンにGPファイナルと世界選手権で初優勝。2024−2025シーズンはGPファイナルや世界選手権など出場した全試合で優勝している。

著者プロフィール

  •  野口美惠

    野口美惠 (のぐち・よしえ)

    元毎日新聞記者。自身のフィギュアスケート経験を生かし、ルールや技術、選手心理に詳しい記事を執筆している。日本オリンピック委員会広報としてバンクーバーオリンピックに帯同。ソチ、平昌、北京オリンピックを取材した。主な著書に『羽生結弦 王者のメソッド』『チームブライアン』シリーズ、『伊藤みどりトリプルアクセルの先へ』など。自身はアダルトスケーターとして樋口豊氏に師事。2011年国際アダルト競技会ブロンズⅠ部門優勝。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る