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樋口新葉が3年ぶり全日本表彰台「このまま終わっちゃうのかな」から「もっとできる」に復調 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【ぎゅっと詰まった練習が自信に】

 ショートプログラム(SP)は、坂本花織、島田麻央、千葉百音の3人が脚光を浴びている。

 もっとも、樋口は71.05点と4位で、3人の背中にピタリとついていた。ジャンプは、クオーターやアテンションの判定はついたが、3本とも成功。スピンもステップもレベル4だった。トップ3選手がミスした場合、いつでも逆転できるスコアだったのだ。

「フリーに関しては、落ち着いてやれば大丈夫という自信を持っていました」

 樋口はそう語っていたが、勝ち筋はあった。SPが終わった時点で虎視眈々、相応の練習も積み重ねてきたのだ。

「今の自分は、とにかく疲れを残さず、次の試合に向かうのが大事なんです。昔だったら全部の試合に出て、ガンガンできたかもしれないですけど。(ケガをした)足の状態もあるので、すごく集中して練習を短く終わらせるようにしました。ぎゅっと詰まった練習が自信にもつながって、本番でも滑れているのかなって思います」

 自慢の爆発力を抑えめにする縛りにより、スケーティングを静ひつなまでに安定させた。結局、その落ち着きがフリーでの逆転、表彰台に結びつくことになった。

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