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鍵山優真とイリア・マリニンがGPファイナルで激突 「310点台の攻防」の見どころは (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【伸びしろのあるヨーロッパ勢にも注目】

 表彰台争いが280点前後になれば、かなり熾烈な戦いになりそうだ。2023年世界選手権4位のケビン・エイモズ(フランス)は、4回転はトーループだけだがスケーティングの技術や表現力は高く評価されている選手。

 スケートアメリカのフリーでは4回転2本の構成をほぼノーミスの滑りにし、ミスがあったマリニンを上回る190.84点を出して合計を282.88点にしている。

 また繰り上げ出場となったシャイドロフも昨季の世界選手権は14位だが、中国杯で276.17点。ルッツとトーループの4回転を入れたSPで90点台は確実に出せる力があり、フリーも4回転トーループ、ルッツとフリップを入れて4回転4本の構成が可能だ。

 佐藤を追い詰めた中国杯のフリーの182.96点が自己最高だが、4分の1の回転不足が2本あったうえ、コレオシークエンスで転倒をしてGOEを含めて3点以上の減点があっての得点。まだ20歳で、伸びしろは持っている。

 ダニエル・グラスル(イタリア)は、今季復帰してNHK杯でいきなり264.85点を出して2位。SPでミスがあり、フリーでルッツとループ、サルコウを丁寧に跳んで逆転の2位だった。連戦となったフィンランド杯でもしっかり3位に入った安定感もある。自己最高も北京五輪7位の時の278.07点を持っているだけに、その底力は侮れない。

 6選手のハイレベルな戦いが期待できそうだ。

女子シングル編へつづく>>

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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