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鍵山優真とイリア・マリニンがGPファイナルで激突 「310点台の攻防」の見どころは (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【鍵山優真は戦える感触あり】

 マリニンはジャンプだけでなく表現技術も上げてきているだけに、どこまで得点を伸ばすかという怖さも感じるが、追いかける鍵山は彼と戦える感触は持っている。

 今季は昨季より4回転トーループを1本増やした4回転4本の構成で臨み、NHK杯ではフリーの4回転フリップが回転不足で転倒となったが、300.09点。連戦となった翌週のフィンランド杯はフリーで崩れて263.09点と不本意な結果だった。

 ただ、NHK杯で105.70点だったSPはまだ伸ばせる余地はあり、107.25点が自己最高得点のマリニンに十分対抗できる。練習中の4回転ルッツを年明けの勝負の武器にするためにも、今の構成をより完璧なものにして北京五輪で出した310.05点の自己最高を更新し、次のステップに進むことを考えているはずだ。

 現時点ではマリニン、鍵山が抜け出ている状況だが、今季、そのふたりを追いかける存在になりつつあるのが、自己最高得点を9月のロンバルディア杯で285.88点まで伸ばしている佐藤だ。

 伸び悩んでいたSPの今シーズンの振り付けは、昨季からフリーの振り付けもしている北京五輪アイスダンス優勝のギヨーム・シゼロンに依頼。狙いは表現力強化だろう。

 昨季最後の四大陸選手権ではノーミスで自己最高の99.20点を出したことも自信になったのか、今季は流れのあるプログラムのなかでGOE(出来ばえ点)や演技構成点も向上。90点台後半を安定して出すようになり、100点台が見えてきた。

 また、フリーもロンバルディア杯で自己最高の187・49点を出しているが、これも2本目の4回転フリップが2回転になっての結果。克服すれば合計300点台が見えてくるまでになっている。

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