鍵山優真とイリア・マリニンがGPファイナルで激突 「310点台の攻防」の見どころは (2ページ目)
【王者マリニンは高難度構成を披露か】
出場選手のなかで頭ひとつ抜け出しているのはマリニンだ。GPシリーズはスケートアメリカとスケートカナダで優勝。得点はそれぞれ290.12点と301.82点だが、ジャンプ構成は入れ替えている。
今季自己最高は9月のロンバルディア杯で鍵山や佐藤ら日本勢を抑えて優勝した312.55点で、現時点では今季世界最高得点だ。冒頭に4回転フリップを入れ、演技後半に4回転ルッツ+3回転トーループを入れているSPは安定感もあり変更はないだろうが、フリーはロンバルディア杯でフリップ、ルッツ、サルコウ、トーループの4回転ジャンプ4本構成で205.30点を出していたものから変えている。
スケートアメリカでは前半の4本目を4回転サルコウから3回転ループに。後半の3回転ルッツの着氷で手をついて3連続ジャンプにできなかったあとには3回転フリップ+トリプルアクセルだった最後のジャンプを4回転サルコウ+トリプルアクセルにした。
そして連戦の疲労もあったスケートカナダは、ロンバルディア杯の構成からサルコウを除いた4回転3本構成にしながらも、合計得点は300点台に乗せている。
アメリカ、カナダのシリーズ序盤の連戦は、かつてネイサン・チェンも採用していたが、移動距離の少ない北米での大会から1カ月強の間隔を空けてGPファイナルへ向けて仕上げる戦略だろう。1月の全米選手権や3月の世界選手権へも、時間的な余裕を持って準備できるメリットもある。
それを考えればGPファイナルは、年明けの戦いに向けた高難度のジャンプ構成を試す場になるはずだ。
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