18歳千葉百音が世界フィギュアの表彰台候補へ急成長! 武器は度胸のよさと伸びやかな滑り (3ページ目)
【世界トップへ「まだまだこれから」】
昨年の四大陸選手権を含め、今季の全日本選手権や四大陸選手権と大舞台で結果を出し続ける度胸のよさは、そのおっとりとした表情とは裏腹に、千葉にとっては大きな武器だ。さらにのびやかな滑りも大きな特徴でジャッジの評価も高い。フリーの演技構成点が昨年の四大陸選手権と比較して4.49点も高くなっているところにもそれは表われている。
今回の得点は220点台に乗せている坂本花織とルナ・ヘンドリクス(ベルギー)に次ぐシーズン3位で、昨季世界選手権2位のイ・ヘインが不調な今、千葉は表彰台候補におどり出たと言っていい。
だが、ジャンプではまだGOE(出来ばえ点)加点が坂本やヘンドリクスのように取りきれていない課題もある。それでも、まだ18歳で経験と自信を積み上げていくのはこれからだ。
「シニアの主要大会で優勝することができて非常にうれしいですが、スケーティングスキルやスピン、ジャンプのすべてにおいてトップと競り合うにはまだまだだなと感じます。少しは自分のよさを磨けて表現できるようにはなってきたかなとも感じていますが、本当にこれからだと思う。今はスタートダッシュの一歩目にすぎないので、次の五輪へ向けてどんどん努力して、自分のよさをもっと活かせるようにしてレベルアップしていきたいです」
こう話す千葉は今回の優勝で、大きな可能性を見せてくれた。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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