鍵山優真が大技ミスでも超高得点で圧勝「もっと得点を稼げる」宇野昌磨、マリニンに世界選手権で勝つためには? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【宇野昌磨、マリニンと世界選手権で決戦へ】

 宇野昌磨は昨年11月のNHK杯後の囲み取材で、「4回転の種類に注目するかもしれないけど、フリーでは3本くらい跳べば、そこからは本数ではなく、完成度の勝負だと思っている。4回転を多く跳んだから勝つというのではなく、(鍵山)優真くんの4回転サルコウはGOEの加点がすごいので、4回転ルッツ以上の点数がもらえたりする。僕にとってもGOEを上げることが、本当に必要になってくる」と話していた。

 今回の鍵山の結果は、宇野のその言葉を証明するものであり、310点台にも十分乗せられる可能性も見せる結果だった。宇野は「今季ならぎりぎり、マリニン選手とも戦えると思う」と話していたように、鍵山もそのレベルの戦いに参戦できる自信を得ただろう。

「最強」への道を上り詰めようとしているマリニンに対抗しようとする宇野、今回で完全復調を印象づけた鍵山。フリーの自己最高が207.17点とポテンシャルの高さを見せているアダム・シャオ イム ファ(フランス)を含めた4人が、世界選手権で熾烈な表彰台争いを繰り広げそうだ。

プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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