高橋大輔は緊張している自分に「おもろいやん」 島田麻央(14歳)にかなだい、りくりゅうが送った金言とは? (3ページ目)
●競技者を続ける愉悦
ーー来季の進路は?
この日、会見でその質問は出ていない。ふたりが決めた時、彼らのタイミングで発表があるだろう。
ただ、そのヒントになる言葉を探すとすれば......。
世界選手権後、村元は「競技者を続ける愉悦」についてこう語っていた。
「会場で(演技前に)自分たちの名前が呼ばれ会場が一瞬だけ無音になる瞬間や、滑り終わってのお客さんの拍手、それを感じられるのが競技生活ならではでうれしいですね。アイスダンスはパートーナーがいるので、喜びも2倍になりますし」
一方、誰よりも長く第一線で競技生活を続けてきた高橋は、こう洩らしていた。
「(演技が)終わったあとのお客さんの歓声、5分間練習での拍手を滑りながら肌で感じられるのがいいですね。たしかに競技生活は緊張感も高いし、いいこと、悪いこと、あるんだと思うんです。
でもそれも含めて、日々の生活でなかなか感じられない感覚があって、それはすばらしいなって」
かなだいは4月23日も、昼夜と二度の公演を行なう。アイスショーやイベントを重ねながら、オフを過ごす。
現役を続けるにせよ、そうでないにせよ、その時間も表現者として貴重なピースだ。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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