高橋大輔は緊張している自分に「おもろいやん」 島田麻央(14歳)にかなだい、りくりゅうが送った金言とは? (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Aflo

●オフは「よく眠れた」「仕事でバタバタ」

 かなだいは長いシーズンが終わったあとのオフを、マイペースに過ごしていた。

 アイスリンク内にまで椅子を並べて、臨場感のある舞台だった。立ち見の観客もずらりとリンク囲んでいた。

 そこにスペシャルゲストとして登場したかなだいは、エキシビション用のピンクの衣装だった。

「人の成長に果てはない」

 その紹介アナウンスは、ふたりにとって勲章だろう。

 村元は五輪に出場し、世界選手権で11位に入ってから一度、競技を離れて3年ぶりの復帰だった。高橋に至ってはシングル復活後のアイスダンス転向で"新参者"である。

 しかもコロナ禍の逆風で、練習すら思うように積めなかった。しかし、それぞれが勘を取り戻し、肉体を改造し、お互いの呼吸を合わせながら、アイスダンサー結成3年で想像以上の躍進を見せた。

 2022−2023シーズン、全日本選手権で優勝を飾り、世界選手権ではアイスダンス史上日本勢最高位を記録したのだ。

 ふたりはピアノ曲『Love Goes』をしめやかに滑り、安定感が増したリフトも堂々と決めた。最後のポーズで氷の上に寝そべるまで、カップル結成3年の落ち着きのようなものがあった。

 国別後、ふたりはおのおののペースで過ごしていたようだ。

「とにかく、よく眠れました!」(村元)

「お仕事がいっぱいになっちゃってバタバタで」(高橋)

 そして今回の公演では、島田を筆頭に未来を担う若い選手とアイスショーで一緒になり、それぞれに刺激も受けていた。

「練習を見ても、みんなよく滑れるし。(若い選手は)回転も速いなって」(村元)

「みんな元気! エネルギーに溢れていて。男の子も多いので、これから活躍してほしいなって思います。

 僕たちが小さい頃は、アイスショーに出られ(る環境は)なかったので、木下アカデミーの子たちはいい経験ができていいなって」(高橋)

 ふたりはそうした日々を重ね、来季に向けての決断をどこかで下すのだろう。

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