全日本フィギュアで輝いた14歳の新星・中井亜美。トリプルアクセル2本成功に「うれしすぎて最後のジャンプを忘れた」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【ジュニア移行初年で大躍進】

 新潟市出身で5歳からフィギュアスケートを始めた中井は、2回目の出場だった2018年全日本ノービス選手権Bクラスで優勝。そして2020年にはノービスAクラスで3位になり、推薦で初出場した全日本ジュニアは6位になった。

 中学進学を機会に拠点を千葉県に移し、MFアカデミーで中庭健介コーチの指導を受けるようになった。

 初の国際大会だった2022年3月のプランタン杯(ルクセンブルク)はISU非公認大会ながらも、フリーで初めてトリプルアクセルに成功してジュニアクラスで優勝。

 そして、ジュニアに移行した今季は、ジュニアGPシリーズに初参戦。9月のリガ杯(ラトビア)はSPをノーミスの滑りで3位につける。フリーは最初のトリプルアクセルや3回転ループなどのミスはあったが、185.62点で3位になって初表彰台をゲット。

 さらに10月のバルティック杯(ポーランド)ではSPで自己最高の69.00点をとって滑り出す。フリーは、後半の3連続ジャンプの3回転フリップで減点になったが、それ以外はGOE(出来ばえ点)加点も稼ぐ完璧な滑りをし、136.90点を獲得。合計を自己最高の205.90点にして優勝。ジュニアGPファイナル進出を確定した。

 初出場のジュニアGPファイナルは、SPで4位発進をすると、フリーではトリプルアクセルが4分の1回転不足になった他にも惜しいミスが出て、合計は189.23点で4位と力を出しきれなかった。

 その悔しさを持って今回の全日本は、SPにトリプルアクセルを入れるとともに、フリーで初めてになる、トリプルアクセル2本に挑戦したいと強く思うようになったのだ。

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