三浦璃来・木原龍一は「似ていること」が武器。GPシリーズ連勝からファイナル制覇なるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

相性のよさが武器のふたり

 翌日のフリーは、前戦では練習時間も少なく苦戦したプログラム。

 三浦が「練習不足が出てしまったと感じました」と話すように、最初のトリプルツイストはスケートカナダより落としたレベル2の滑り。続く3回転トーループ+2回転トーループ+2回転トーループは、カナダのような回転不足はなかったが木原の着氷が乱れ、間を置いてから連続ジャンプにしたために0.18点の減点。

 その後の3回転サルコウは回転不足になり、後半のスロー3回転ルッツは三浦が着氷で片手をつきそうな姿勢になりながらも耐えたが0.53点の減点と、流れをうまくつくり出せなかった。

 そして演技終了後、三浦が「セーフ」のポーズをつくり、笑顔で言葉を交わした。そのシーンを三浦はこう説明した。

「セーフ(のポーズ)は、カナダの時に遅れていた曲の終わりに(演技が)間に合ったという意味なんですが、スロールッツのあとのリフトで初めて失敗したので、『やばい、どうしよう』ということも含めたものでした」

フリー演技のりくりゅうフリー演技のりくりゅうこの記事に関連する写真を見る ミスはひとつだったスケートカナダと比べれば、細かいミスが重なったため、フリーの得点はカナダより0.72点低い137.91点にとどまった。だが合計得点はSPの自己ベストがあり、自己最高の216.16点。

 今季も一戦一戦を進化していこうという思いが出た結果。ふたりは「SP、フリーとも小さなミスが出たが、そのなかでも自己ベストを出せたのはうれしい」と口をそろえた。

「今季のフリーは、昨シーズンに比べるとトランジション(つなぎ)の動きをすごく増やしているので、私たちにとっては挑戦的なところです。まだ完璧ではないですが、できることはやりました」

 三浦がそう話す今回の演技。これからの課題はフリーをさらに滑り込み、これまでの2戦で出たミスを修正していくことと、ハッキリしている。

 今回の優勝で、GPファイナルへ1位進出を果たした。昨季の世界選手権優勝のアメリカペアを2試合の合計得点で20点以上の差をつけている。

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