「氷上の妖精」三原舞依が真価を見せるとき。「一番うれしい」GPシリーズ初優勝からファイナル初出場をかけた戦いへ (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

GPファイナル初進出をかけた戦いへ

 その生き方が、イギリス大会のフリーで奏功した。短期間でジャンプの課題を克服。SPもフリーもスピン、ステップはすべてレベル4だった。彼女の人生が祝福されたようなGP初優勝だったと言えるだろう。演技直後、氷上でうれしさが弾けるように小さく駆け、「信じられない」と両手で口を覆い、周りに感謝する姿は、すべて地道なトレーニングの成果だ。

ーー氷上で見る最高の風景とは?

「他のスケーターの皆さんも目指す場所で、自分も表彰台に立って笑顔って姿は理想で......」

 昨年のインタビュー、彼女は質問にそう答えていた。

「私は、(浅田)真央ちゃんを見てスケート始めました。(彼女のように)誰かを笑顔にできたり、感動を与えられたりするスケーターになれたらいいなって思います。リンクは自然と笑顔になれる場所なので」

 11月25日、GPシリーズ第6戦、フィンランド大会が開幕する。12月、イタリア・トリノで開催されるGPファイナル初進出をかけた戦いになる。

「今までで一番うれしい」

 GP初優勝後、三原は顔をほころばせたが、その笑顔は次のGPシリーズ、全日本選手権、世界選手権へのプロローグだ。

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