「5回転も試すかもしれない」イリア・マリニンの脅威。フィギュアスケートの新星から目が離せない (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

5回転ジャンプも「試すかもしれない」

 ここ数年は、自分の演技構成点が伸び悩んでいるのが気になっていて、ステップやスピンなどの練習に時間を割くように努力しているという。

「今まではずっと自分のスタイルとは何なのかを見出せずにいました。でも最近になって、すばらしいスケーターたちと実際にスケートをする機会に恵まれたこともあり、そこで知ったことをうまく取り込んで、自分流に展開していった。それで演技構成点のスコアも伸びてきて、結果も出てきた段階だと思います」

 そう話し、マリニンは自身の成長に手応えを感じている。シニア初シーズンのGPシリーズの出場予定は、10月21日開幕の第1戦スケートアメリカと、11月25日からの第6戦フィンランド・エスポーグランプリと変則的な日程だ。現状のジャンプ構成については、「後半になったら場合によっては4回転を少しずつ追加していくかもしれないし、シーズン最後には7本の構成も考えるかもしれません」という思いも持っている。

「5回転ジャンプを試してみようかと検討したが、今は自分のスケートに集中し、一貫性を持ってやったほうがいいということになった。シーズンが終わってもし心に余裕があり、気分がよければ5回転を試していくこともあるかもしれません」

 進化を始めたばかりの彼が、これからどういう歩みをたどり、どう自分のスケートを完成させていくか。勢いのある新星から目が離せない状況になってきた。

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