「5回転も試すかもしれない」イリア・マリニンの脅威。フィギュアスケートの新星から目が離せない (2ページ目)
羽生結弦に「大いにインスパイアされた」
10月8日の本番は、マリニンはその構成には挑戦せず、USインターナショナル・クラシックと同じく4回転は、4種類5本で、最後の2本の連続ジャンプは3回転フリップ+3回転トーループ、3回転ループ+トリプルアクセルにする構成で挑んだ。マリニンは「今、自分が自信を持って跳ぶことができるジャンプに集中したい」と理由を明かした。
ジャパンオープンに出場したイリア・マリニンこの記事に関連する写真を見る スピンやステップなどを入れた各要素の基礎点の合計は102.87点で、チェンがフリーの世界最高得点224.92点を出した、2019年グランプリ(GP)ファイナルの時の97.73点を大きく上回った。
その演技は、最初の4回転アクセルは4分の1の回転不足と判定され手をつく形になったが、そのあとの4回転トーループと4回転ルッツはGOE(出来ばえ点)加点2.85点と2.30点をもらう余裕のあるジャンプにした。
続く4回転サルコウと4回転ルッツ+1オイラー+3回転サルコウは、ともに4分の1の回転不足と判定されGOEはわずかに減点されたが、最後の2本の連続ジャンプはしっかりと決めた。
だが演技構成点は宇野より6.66点低い86.58点にとどまり、得点は193.42点で宇野に0.38点およばない2位だった。
それでも、マリニンの演技はほかの選手にとって脅威を感じさせた。今回はミスとなった4回転アクセルについて、マリニンは「どういうふうに跳べばいいか、という基本も今は理解できていると思う。今回はたまたまうまくいかなかったが、ジャンプの入り方などに関しても、しっかり感触はつかめています」と自信を口にする。
「私がスケートを始めた当初から、羽生結弦選手には大いにインスパイアーされてきました。そもそも4回転アクセルを試そうと思ったのも、羽生選手を見てのこと。彼が成功に一番近いところにいたし、『絶対に跳びたい』という気力ややる気を見せていた。だから私も試してみようと思った時に羽生選手のやり方を研究し、そこから自分のやり方を考えて試してみたら、うまくいったという流れです」
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