紀平梨花「収穫あった」と安堵の演技。疲労骨折の不安が残るなか勝負の全日本へ一歩ずつ進む (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

復調への歩み「収穫あった」

 ジャパンオープンは日本、欧州、北米の3地域が1チーム男女各2人の団体戦形式で合計点を競う。結果として日本が2018年以来の優勝を果たし、紀平は「チーム戦だったので自分が悪いほうに引っ張ってしまわないか不安でしたが、演技に集中することができたし、他の人たちがすばらしい演技をしてくれて優勝できたのでホッとしています」と笑顔を見せた。

「ジャンプはすごくいい感覚があって......。今は練習を控えているけど、ミスやケガをするリスクを取るくらいだったら今できるジャンプを、と。少ない練習でも決められる自信のあるジャンプを今回は入れるようにしていました。

 今回もミスはありましたが、中部選手権より大きなミスは少なかったと思うし、課題でもあった体力もけっこう戻ってきている気がしていて。会場はけっこう暑くてきつかったけど、最後まで集中して滑りきれたので、収穫もあった試合だったなと感じています」

 全日本選手権で勝負をするためには、トリプルアクセルや4回転は難しくとも、基礎点の高い3回転ルッツや3回転フリップが必要になってくる。その道のりはまだ少し長そうだが、焦らずに、「まずは疲労骨折の完治を目標にしている」という紀平。復調への歩みを着実に一歩ずつ進めている姿を見せた。

この記事に関連する写真を見る

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る