村元哉中&髙橋大輔が見せた「超進化」。全日本2位も「悔しいけど、成長は誇りにしたい」 (2ページ目)
フリーダンスの得点は1位、総合では2位だったこの記事に関連する写真を見る【アイスダンスの定石を覆す】
12月25日、さいたま。全日本選手権のアイスダンス、フリーダンス(FD)の5分間練習で、髙橋と村元は手をつないでリンクに入っている。中央で名前がアナウンスされるのを待つ間、ふたりは向かい合って両手をつなぎ、目を見つめ続けていた。気持ちを通わせ、高める。
「アイスダンスは時間が大事」
それが定石のなか、ふたりは濃密に時を過ごし、不可能を可能にしてきた。キャリア2シーズン目にして、グランプリ(GP)シリーズ・NHK杯、ワルシャワ杯と立て続けに日本歴代最多得点をたたき出している。おとぎ話に近い展開だ。
勢いを得て乗り込んだはずの全日本、自信を持っていた(23日の)リズムダンス(RD)で、まさかの転倒だった。それが響き、2位発進となっていた。
「(RDを終えた後のメンタル面の問題は)僕はめちゃくちゃありましたね」
髙橋は正直に告白した。
「昨日の練習(FD前日の練習)では、コントロールができないくらいに(気持ちが)バラけてしまって。切り替えていたつもりだったんですが、できていなかったですね。どうしたの? っていうくらい、自分は焦っていて」
気持ちが大きく揺さぶられるほど、その一本に懸けていたのだろう。
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