羽生結弦「腹をくくってここまで来ました」。全日本公式練習で4回転アクセルを着氷、他のジャンプも驚くべき進化を見せた (2ページ目)
公式練習では4回転アクセルを着氷したこの記事に関連する写真を見る「自分のなかでは軸作りが一番大事だと思っていたので、回転をそんなにかけず、今日やるべきことをやったという感じです。軸を取れれば回転はおのずと速くなる。戦略的にはいろいろありますが、今日この氷でしっかり軸を作るという意味では、前よりスピードを落としています。今日の4回転アクセルは両足でしっかり軸を作りながら降りるというような感じだったのですが、今日は回転をかける日ではなかったので、あれでオッケーだなと思っています」
こう話す羽生によれば、これまでの練習では、全力で回した時にはqマーク(4分の1回転不足)がつくくらいで転倒している状態。まだクリーンな成功はないという。そして、そんな4回転アクセルと北京五輪への思いをこう話した。
「正直言って、おととい(12月21日)の段階では4回転アクセルが決まらなかったら、もう北京五輪で頑張るしかないのかなと思ってやっていました。ただ、自分のなかでは『このくらいのアクセルでいいのかな』という思いもあるし、クリーンでなくてGOE(出来ばえ点)で加点がつかないかもしれないが、形としては4回転アクセルになっているし、この2年間、かなり練習して向き合ってきたなかで、『このくらいならもういいんじゃないかな』という気持ちもありました。
でも、最後の練習の時にギリギリまで踏ん張って、1時間半くらいアクセルをずっと跳んだうえでダメだった時に、いろんな気持ちでグチャグチャになりながらも『僕だけのジャンプじゃないな』と思って。言い出したのは僕だけど、皆さんが『僕だけしかできない』と思ってくださるなら、それをまっとうするのが僕の使命かなと思って。まだこの全日本で(4回転アクセルを)降りることをあきらめていないけど、その延長線上に北京五輪はあるかもしれないと、腹をくくってここまで来ました」
羽生は、さっぱりした表情でそう話した。
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