2021.11.05

世界最高得点デビューの一方で引退も続々。激しすぎるロシア女子の新旧交代

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

 五輪シーズンが本格的にスタートした今季の女子フィギュアスケートでは、シニアデビューしたばかりのロシアの若手が金メダル最有力候補に名乗りを挙げた。グランプリ(GP)シリーズ第2戦のスケートカナダでショートプログラム(SP)84.19点(世界歴代2位)、フリー180.89点(世界最高)、合計265.08点(世界最高)という驚異の得点を叩き出して初優勝した15歳のカミラ・ワリエワだ。

スケートカナダで世界最高得点を叩き出して優勝したカミラ・ワリエワスケートカナダで世界最高得点を叩き出して優勝したカミラ・ワリエワ この記事に関連する写真を見る  ロシアの「選手製造工場」の総監督として指揮するエテリ・トゥトベリーゼの秘蔵っ子。憧れの選手は同じエテリの門下生で、2018年平昌五輪女王となった4歳上のアリーナ・ザギトワだという。

 前哨戦の10月のフィンランディア杯では、サルコウ(S)とトーループ(T)の2種類の4回転を計3度、それもトーループ2本は4T+3Tの2連続と4T+1オイラー+3Sの3連続のジャンプという高難度ジャンプを跳んでいた。シニアGP初陣でも両手を挙げながら同じジャンプ構成の4回転を3度成功させ、GOE(出来栄え点)加点でも3点前後の高得点をマーク。フィンランディア杯で出した世界最高得点をフリーで6.58点、合計では15.84点も更新させる勢いを見せた。

「プランどおりにできたし、とても興奮しています。もっときれいに滑りたいし、上を目指したい」(ワリエワ)

 スケートカナダでは、4回転のほか、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)にも挑戦。惜しくもステップアウトして成功しなかったが、まだまだ伸びしろはありそうだ。3歳で競技を始め、13歳でジュニアGPファイナルと世界ジュニア選手権の2冠を達成。ザギトワを超える天才少女と言ってもいいのかもしれない。

 だが、新星はワリエワだけではない。同門でやはり15歳のダリア・ウサチョワも、GPシリーズ第1戦のスケートアメリカで総合2位の好成績を挙げてシニアデビューを飾っている。大技のジャンプこそ跳ばなかったが、手足の長さを生かした滑らかな滑りで、ベテラン勢に引けを取らない演技を見せた。