羽生結弦「何かを感じてもらえるのではないか」。シーズン初演技から全開、4回転アクセルへの決意も語った (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

ドリーム・オン・アイスのオープニングに登場した羽生ドリーム・オン・アイスのオープニングに登場した羽生この記事に関連する写真を見る コロナ禍でアイスショーが中止になった昨シーズンは、観客の前で滑りたい気持ちが強かったという。その後は試合に出るたびに、自分が演技をすることで「何かを感じてもらえるのではないか」と思うようにもなってきた。そんな思いもあったからこそ、今回の出演を決めたという。

 そのアイスショーのプログラムに、自分の気持ちと体力を全開にして演じる『マスカレイド』を選んだことに、彼の思いの強さを感じた。

 演技直前、会場に事前収録された音声で「今シーズンは、自分の最大の夢に向かって全力で努力をしていきます。今日、この場所に、今の自分が持てるすべてのエネルギーをスケートに込めます」という羽生のコメントが流れる。最初から勢いよく滑り出した羽生は、その後の静寂なパートを滑り終えると、中盤のトリプルアクセルを迫力十分のジャンプで決め、そこから一気にエネルギーを爆発させる。

 自分の顔さえ忘れてしまいそうになった怪人の、素顔に戻りたいという熱望を込めるような激しい滑り。最後は大きさとスピードのあるコンビネーションスピンで締めくくる、圧巻の演技を見せた。

 演技後の取材で、羽生は練習を続けている大技4回転アクセル(4回転半ジャンプ)についてこう語った。

「昨シーズンから頑張ってきた身体をいたわりつつアクセルの基礎練習をして、4回転半に向けて一から作り直す作業をしっかりできたと思うので、これからシーズンへ向けて本格的に練習をしていきたいなと思っています」

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