宇野昌磨、大技失敗の無念を胸に刻む。「成長できる幅がある」 (4ページ目)
「順位がかかっているチーム戦で、(3A+4Tに)挑戦させてもらって......。チームメイトには『申し訳ない』という気持ちですが、それは求められていないと思うので、『ありがとうございます』って伝えたいです。『本人が満足していればそれでいいんだから』と言ってもらえて」
リモート会見に出てきた宇野は目を赤くし、震える声で言った。自責の念が身体中を駆け巡っていた。
「僕が国別に出ず、他の選手が出るほうが優勝につながったと思います。申し訳ない、恥ずかしい気持ちで。失敗するたび、悲しい、ふがいない気持ちでした。今振り返ると、大会に向けて、"いい演技をするぞ"って覚悟を決められませんでした」
宇野は、「覚悟が足りなかった」と何度か繰り返した。自分に厳しく矢印を向けるところは彼らしい。しかし、起死回生で大技に恐れず挑んだ。
「(来シーズンは)このジャンプ(3A+4T)を入れられるように、とは思っています」
宇野は心境を語った。
「今の僕の構成だと、3A+4Tを入れるのはあまり意味がなくて。リスクに対して点数が見合っていないよな、と。でも、もし4回転サルコウや4回転ルッツを入れられるようになったら、(フリーのジャンプは2種類のみを2回行なえる条件で)活きてきます。課題は山積みですが、それだけ成長できる幅があると思って」
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