本田真凜、アイスショーではつらつと演技。自覚している課題の克服へ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA/Enomoto Asami

名古屋フィギュアスケートフェスティバルで演技する本田真凜名古屋フィギュアスケートフェスティバルで演技する本田真凜「今年も一年、楽しく頑張ります!」

 1月4日に開催された名古屋フィギュアスケートフェスティバル。第1部に登場した本田真凜(19歳、JAL)は、そうメッセージを寄せている。

 今シーズンのショートプログラム(SP)で使用した曲『The Giving』に乗ったスケーティングは、問答無用に人を惹きつける力があった。流れる音を感覚的に拾うと、それを体の隅々まで行き渡らせる。手足がしなやかに伸び、エッジワークは深く、表情の変化もさまざまで、ひとつの世界を演出。終盤には優雅なイナバウアーで観客と一体感を作り、拍手喝采を全身で浴びた。

 アンコールの『Seven Nation Army』では、打って変わってロックサウンドに体を弾ませている。激しく踊る彼女自身が、かき鳴らすギターのようだった。一瞬にして、氷上に物語を作っていた。

「不安や怖さを克服し、楽しんで滑れるように」

 本田は言う。笑顔で歓声を応えた彼女は、フィギュアスケーターとしての2021年をはつらつとスタートさせていたーー。

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