2020.10.09

鍵山優真、衝撃のシニアデビュー。
世界歴代5位はどれだけスゴいか

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihito

◆「鍵山優真に度肝を抜かれた無良崇人」>>

フリーと合計で世界歴代5位となる高得点をマークした鍵山優真 新型コロナウイルス禍の影響でイレギュラーなシーズンを迎えた今季のフィギュアスケート。国内のブロック大会が各地で行なわれているが、10月3日、4日に行なわれた関東選手権のシニア男子で、四大陸選手権銅メダルの鍵山優真が鮮烈なシニアデビューを飾った。

 この大会では、同じくシニア初参戦となった昨季のジュニアグランプリ(GP)ファイナル優勝の佐藤駿との同学年ライバル対決が注目を集めた。シニア男子は鍵山と佐藤の2人だけが出場する一騎打ちとなったが、ショートプログラム(SP)、フリーともに大きなミスをせず、圧巻の演技を見せた鍵山に軍配が上がった。

 ジャンプ構成や演技内容も、ジュニアだった昨季と比べて格段にレベルアップしていた。

 ローリー・ニコル氏が振り付けたSP『Vocussion』では、鍵山の新たな一面を披露。質の高い4回転のサルコーとトーループの2種類を跳ぶなど、GOE(出来栄え点)加点を稼いで、98.46点と100点の大台まであともう少しの高得点を出した。

 また、フリーではジュニア時代から鍵山のプログラムを手がけている佐藤操氏が振り付けた『ロード・オブ・ザ・リング』を伸び伸びと滑った。フリーの188.75点と合計287.21点は、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、現行ルールにおける自己ベストランキングでそれぞれ世界歴代5位相当の高得点だった。

 世界歴代5位に入る得点についての感想を試合後のリモート会見で聞かれた17歳は、照れ笑いしながら「うれしいのかな(笑)。うれしいっちゃうれしいですけど、あまり(得点は)意識していなかった。昨日(3日)のSPでは90点以上を出すという点数の目標はあったんですけど、今回(のフリー)は本当に演技だけに集中しようとしていたので、合計得点も自己ベストを更新できたことはうれしいんですけど、そこまで意識はしていなかったですね」と答えた。

 シニアに転向したばかりとはいえ、基礎がしっかりとしているジャンプとスピンを身につけている鍵山。先輩たちに見劣りしない安定感抜群の演技ができることが証明されたシニアデビュー戦だったと言っていいだろう。