鍵山優真らを担当。気鋭の振付師が語る「私を導いてくれたプログラム」 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

 当たり前ですが、この3組の能力の差は、当時の私にはわからなかったです。

 抜きん出たフットワークを有し、トータルバランスがいいと言われていたトービル&ディーン組に対して、ベステミアノワ&ブーキン組はその真逆で、強烈にアクのある演技で、スタイルが抜群にいいカップルでした。

 私の目にはスピードは同じに見えるわけですが、なぜか点数に差がつく。トービル&ディーン組が好きですけれど、何が悪くて点差が開いているのかが、わからなかったものです。ただしその後、ベステミアノワ&ブーキン組はカルガリー五輪で金メダルに輝くことになります。

 また、もう一組のクリモワ&ポノマレンコ組は清楚で可憐な演技を見せるカップルで、どう形容していいかわからないぐらい美しかったです。

 当時の私は、この3組が滑っている演技を見たら、眠れなくなるくらいでした(笑)。中学生だった私にとって、あの時代のアイスダンスはずっと、プログラムを見るだけで面白いものでした。そして、「いつか私はこういう振り付けをやってみたいな」と思うようになり、憧れるようになりました。

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