鍵山優真らを担当。気鋭の振付師が語る「私を導いてくれたプログラム」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

 このプログラムは、内容のすばらしさもさることながら、「この振付を誰が考えたんだろう。こんなに面白い振り付けで、この音でこの表現の形を作るなんて」と思わせるような、これまで見たことがない振り付けでした。

 プログラムは、世界チャンピオンとなり、五輪金メダリストともなったトービルとディーン、2人で作り上げていたそうです。もちろん、先生(コーチ)たちの力もあると思います。プログラムというのは、自分で思っている以上に、プロの目や踊りの専門家の目などを通して、たくさんのフィルターにかけて最終的に作り上げていくものですから。

 それでも、男性のディーンが主にプログラム作りで発想役だったようです。「こういう動きができたらスケートを滑る上ですばらしいんじゃないか」と、アイデアを中心として出していたと言います。選曲を『ボレロ』にしたのも自分たちだったそうです。

 その話を聞いて、「これはやっぱり面白い作業だな」と思いました。私がプログラムを振り付けるという行為にグッと惹かれることになったのは、たぶんこの『ボレロ』というプログラムを作ったディーンの影響が大きいと思います。

 このカップルの演技を最初に見た時のプログラムは『サーカス』でした。

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