鍵山優真らを担当。気鋭の振付師が語る「私を導いてくれたプログラム」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by AP/AFLO

『ボレロ』の前年の1983年に滑っていたプログラムで、水色のラインリボンがついていた白いコスチュームを着ていたと思います。振り付けがとってもユニークで、とってもハッピーなプログラムでした。私はそれを生で見ています。

 当時、私はアイスダンスをすでに始めていましたが、前に進む、後ろに進むくらいのヨチヨチ程度の感じでした。けれども、こんなに面白い競技ならやめられないなと思いましたし、アイスダンスがすごく好きになりました。

 この時期、トービル&ディーン組は無敵のチャンピオンでした。彼らを追っていたのが、2番手のナタリア・ベステミアノワ&アンドレイ・ブーキン組と3番手のマリア・クリモワ&セルゲイ・ポノマレンコ組。ロシア(当時はソ連)のカップルでしたが、その2組のプログラムも本当にすばらしかったです。

 昔なので、ビデオを何度も見て、勉強しました。あまりにも楽しくて、テープがすり切れるほど繰り返し見ましたし、その作業はいまでも私の財産となっています。

 楽しいものやすばらしいものは強烈な刺激になりました。ただのひとりのファンとして「本当に面白かった。もう1回見よう。この時の顔が素敵だな」と思いながら見ていたのを覚えています。

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