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「めちゃめちゃホッとした」宇野昌磨が実感したコーチがいることの効果 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 宇野自身がこう言うように、6分間練習では4回転トーループに2回挑んだが、ともに重心が後方にいってしまう着氷で、3回転トーループを付けられなかった。さらに、そのあとに挑んだフリップも、1回転、2回転、3回転と続き、4回転までは跳べていなかった。

 そんな状況で迎えた本番では、最初の4回転フリップは回転不足を取られて転倒。次の4回転トーループに2回転トーループを付けて連続ジャンプにしたが、次のチェンジフットシットスピンはレベル3になって0.26点の減点。だがフランス杯ではSP、フリーで3本すべて転倒していたトリプルアクセルを、2.51点の加点が付く出来にした。

 最後のステップは気持ちを入れすぎてよろける場面もあり、本人も「練習に比べてあまり深く乗れてないところが多かった」と反省する。

「4回転フリップに関してはもう、シーズン後半へ向けて上げていけばいいかなと考えている。この試合はそれ以外のジャンプを決めるのが課題だったので、とりあえずショートではそれができたかなと思います。練習でできていることが試合でどう出せるかというのを確認することが目的だったけど、前回はたくさん失敗していることもあったから、そんなに失敗を恐れるというわけでもなく、いい感じで練習できたことがよかったと思います。

 僕の場合、試合でも4回転トーループの失敗は多い。練習でできていることを当たり前にやるというのが簡単な人もいるかもしれないですが、僕にとっては難しいことなので、トリプルアクセルも含めてそれが何とかだけどできたことはホッとしています」

 こう話す宇野は、2週前のフランス杯終了後、帰国することなくスイスに行き、ステファン・ランビエルの下で練習をしてからモスクワに入ってきた。さらに今回は、ランビエールが指導するデニス・バシリエフス(ラトビア)も出場しているため、彼が宇野の公式練習や試合で付いていてくれたことも大きい。

 その効果を宇野はこう分析する。

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