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自身の苦戦に驚いた羽生結弦。「ぜんぜん引退しないです」と明言 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「今朝の練習の時点で、最初の方はよかったのに、だんだん悪くなっていったので、一発だけに集中しようということを意識しました。それが結果的にはよかったと思います」

 本番では、冒頭の4回転ループはしっかり回り切ったがステップアウト。前日のショートプログラム(SP)で転倒していた4回転サルコウも、回り切りながらもステップアウトするスタートになった。

「最初のふたつのジャンプでかなり無理をして耐えたので、その分の疲れはあったと思います」と羽生自身が話すように、そこから先は少しスピードの鈍った滑りになった。後半のジャンプでも、4回転トーループ2本とトリプルアクセルからの連続ジャンプの3回転トーループが回転不足となる思わぬ結果。結局、得点は180.67点にとどまり、圧勝したとはいえ合計得点は279.05点だった。

「ここまでループであまり苦戦していなかったので、ちょっとびっくりしました......。そのために4回転ルッツの練習もしているので、それを入れようかなとちょっと考えました。でも、公式練習から試合までの時間が普通の大会に比べれば全然短くてケガのリスクもあったので、『今日はルッツではなくループで、とりあえず形としてまとまればいいな』と思ってやりました」

 昨年のグランプリ(GP)シリーズフィンランド大会では、会場に入ってから調子のよかった4回転ループが跳べなくなった。3月の世界選手権でも、柔らかい氷に苦しんで同じ状態になっていた。練習拠点のトロントとは違い、エッジが効きづらい氷だったためだ。

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