2019.04.08

ザギトワら輩出した虎の穴の秘密。
「エテリ軍団」はさらに勢力拡大中

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 世界フィギュアスケート選手権で、平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)がショートプログラム(SP)、フリーともにほぼ完璧な演技を披露、フリーで155.42点をマークし、合計237.50点で初優勝を飾った。

 五輪後、身長が7cmも伸びて体型が変化。それにともなってジャンプが不安定になり、失敗が目立つようになっていたが、シーズン最終戦ではしっかりとジャンプを安定させ、ミスのない演技で他を圧倒した。

左からエリザベート・トゥルシンバエワ、アリーナ・ザギトワ、エフゲニア・メドベデワ 銀メダルには、伏兵とも言えるエリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン)が輝いた。フリーで見事な4回転サルコウを成功させた19歳は、SP3位、フリー4位ながらも、合計224.76点で、四大陸選手権(総合2位)に続いて表彰台に上った。

 一方、SP4位と出遅れた平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベデワ(ロシア)は、フリーでは気迫の演技を見せ、合計223.80点で銅メダルを獲得した。今季から練習拠点をカナダ・トロントに移し、ブライアン・オーサーコーチに師事。シーズン前半は自分の立ち位置や環境の変化になかなか適応できず、成績も伸び悩んで「過去の人」と揶揄されたこともあったが、世界選手権で健在ぶりをアピールした。

「私がまだ健在であり、世界のトップとしてできることを証明できた」と、胸を張っていたのが印象的だった。

 そんな表彰台の3人には、ある共通点がある。それは、あるロシア人コーチから指導を受けている(受けていた)ことだ。近年、世界のトップを争う多くの選手を育てているエテリ・トゥトベリーゼ。「鉄の女」とも呼ばれる45歳で、モデルばりのクールビューティーだ。